ことりのかけら

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外国人としてアルバイトをした思い出~ある買い物が起こした事件~

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こんにちは。ことりです。

私には中華料理店の看板娘だった時代があります。

当時、アメリカで大学生をしていました。

「アジア人の学生を探してる店がある」と韓国人クラスメートのKに紹介され、お店でのアルバイトが始まりました。

場所は、大きなショッピングモールのフードコート。「マクドナルド」や「サブウェイ」、「ピザハット」などのファーストフード店が並ぶ中、「マンダリン・エクスプレス」という名の中華料理の店でした。

店長はベトナム人のPさん。副店長が奥さんのMさん。店員は、韓国人のKくんとSちゃん。そして日本人の私です。

中華料理屋なのに、店に中国人がいなくて、ベトナム人と韓国人と日本人がいるってどうなの、と思いますけどね。雇われている身ですので、不平は言いません。中国人のオーナーさんは、違う州から1ヶ月に数回チェックに来ていました。

時給は、4ドル25セント。当時の最低賃金です。(年齢がバレそうですね。。。)
大学の勉強に支障が出ては元も子もないので、週3日働いていました。 全然お金はたまらなかったですね。タイムカードで給料の計算をしていたので、予定より早く出勤してはタイムカード記入、帰るときは長々と掃除をしてからタイムカード記入をしていました。(涙)

お店のメニューは、牛肉、豚肉、鶏肉などの料理が中心。野菜もかなり入っていて、見た目はヘルシーなものが多かったです。良く売れていたのは、「ブロッコリー・ビーフ」。私が個人的に好きだったのは、「ムングー・ガイ・パン」というささみと野菜の炒めものです。 

ファーストフードなので、カウンターのガラス越しに、お客さんが、「これとこれ!」と注文して、それを店員がプレートによそって渡すというシステムでした。

マクドナルドなら、「ご一緒に、ポテトはいかがですか?」というところ、毎回私たちは、「ご一緒に、春巻きはいかがですか?」と聞くことになっておりました。

店での仕事は、それなりに楽しかったです。お昼と夕方は行列ができるので、ひたすら接客でした。「セットメニューはいかがですか?」「ドリンクもご一緒にいかがですか?」という英語のセリフは、今でもかなり得意です。使う機会はありませんけど。

店長は無口ですが優しい人でした。奥さんはとにかくお金に細かい人でした。二人とも移民一世で、「暮らしを良くしたい」とがむしゃらに働いていました。バイタリティーはすごかったです。「ことり、見て!こんな宝石買ったのよ。」と奥さんがいつも見せてくれました。指輪をそんなに買ってもはめる指が足りないじゃん、と思ったほどでした。バイトが終わると、残っているメニューを持たせてくれたので食費が浮いて助かりました。

店が暇なときは、いろんな話をしてくれました。アメリカ移住してから、どんな暮らしをしていたかとか、どうやって徐々に生活が良くなっていったか、とか。

「ことりもちゃんと勉強しなさい! 就職していい暮らしをしなさいよ。」なんて言われていました。

 

ニュースで昨日、「外国人客のお寿司に大量のわさびを入れて反応をみて面白がっている日本の店がある」という出来事が流れましたね。とても悲しい話です。 

 

そして、このニュースを聞いた時、「マンダリン・エクスプレス」で起きた事件を思い出したのです。差別や区別とは、少し違う出来事だったのかもしれませんが、とにかく私には忘れられないことでした。

その日は、日本人の私と、ベトナム人の店長夫妻がお店にいました。私はカウンターでお客さん対応をしていました。

ある男性が、セットメニューを買いました。

数分後、「お金を返せ。」と怒鳴り込んできました。

「料理に店員の髪の毛が入っている!食べられる代物じゃない!」とのこと。

すぐに、プレートの中をチェックすると、確かに髪の毛が大量に入っていました。そんなものが入っていては怒られても仕方がありません。

。。。。ん?


髪の毛が、おかしいのです。

きれいな金髪なのです。 ごっそり丸まって入っています。

店長が言いました。

「私たちの髪の毛ではないと思いますよ。ほら、みんな黒髪ですし。」

男性は、「お客にそんなことを言うのか? アジア人はやっぱりそういうキタナイやつらだ。」
どんどん文句がエスカレートしていく、、、と思いました。

 

その時、店長が謝りました。そして、男性に別のメニューを再度作って渡しました。

「そんなものいらない。金を返せ。」

結局、店長が返金。この件は終了しました。

 

驚いている私に、店長夫妻がいいました。

「ことり、いろんな人がいるからね。いるんだよ、ホントにいろんな人が。」

ことりの昔の記憶でした。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。


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